スタッフが療育を行う時間が確保でき、保護者の利便性も高まりました
特定非営利活動法人まんぷく 放課後等デイサービス ジェナ
代表理事 二原詩帆様、理事 宮久保龍哉様
その他の導入事例
放課後等デイサービス向けクラウドサービス「コノベル」は、放課後等デイサービスの児童指導員・保育士・スタッフの働き方改革、保護者の連絡手段のデジタル化を支援するクラウドサービスです。
2011年9月に宮崎県小林市で設立された、特定非営利活動法人(NPO)まんぷくが運営する「放課後等デイサービス ジェナ」の代表理事 二原詩帆様(写真左)、理事 宮久保龍哉様(写真右)のお二人に、コノベルの導入理由と導入効果、活用についてお話を伺いました。
目次
それぞれの子どもにあった支援を行う
放課後等デイサービス ジェナについて教えてください。
放課後等デイサービス ジェナは、2011年9月に設立された特定非営利活動法人(NPO)まんぷくが運営する放課後等デイサービスです。日常生活に必要な動作の習得や、集団生活への対応に必要な療育を実施し、児童とそのご家族の福祉の推進を図るためのサービスをご提供しています。
ジェナでは、発達に心配のある子ども、障がいを持つ子どもが、将来、基本的生活習慣や社会的ルールを身につけていけるよう成長・発達を見つめ、それぞれの子どもにあった支援を行っています。
また「まんぷく」という名は笑顔も、幸せも、楽しさも、食も、満たされますように……と願いを込めてつけました。まんぷくはやさしい街づくりや赤ちゃん、お年寄り、障がい者などみんなが共に生きる地域をめざし、皆様が安心して暮らせるよう地域に根ざした活動を行っていきます。
障がいを持つ子どもがいる二原が大阪から宮崎県小林市に戻ってきたとき、障がい児向けの施設がありませんでした。そこで自ら施設を立ち上げたのが、ジェナの始りです。当初の利用者は二原の子ども一人で始り、支援学校の保護者のサポートを受けながら運営をしてきました。その後、利用者は徐々に増え、現在では定員10名のところ登録利用者は11名で、毎日9名~10名が利用しています。スタッフは5名です。
さまざまな記録を手書きで行い、改めてExcelなどに入力
放課後等デイサービス ジェナでは現在、VISH株式会社の放課後等デイサービス専用「保護者連絡アプリ」コノベルを活用しています。コノベルの前には「園支援システム+バスキャッチ」を活用されていました。どういうきっかけで活用するようになったのですか。
放課後等デイサービスでは、さまざまな帳票に記録をする必要があります。例えば出席簿、バスの送迎記録、利用状況、業務日誌、各種加算についての記録、国保連への請求などがあります。また、保護者とは連絡帳を通じて、利用時の体温などのバイタル、子どもたちの状況やどんなことをしたのかをお知らせしますし、保護者からは体調や服薬などの情報をいただいています。
これらはすべて手書きでの業務のため、何かシステムを導入したいという思いはありました。Webサイトで検索をすると、いろいろいなシステムは出てきます。でも、それだけでは内容がわかりませんが、問い合せるまでにはいたりませんでした。
そんなことを知人に相談したところ、何かヒントになるかもしれないと、認定こども園 光が丘幼稚園の理事長・園長の下苙敏大先生をご紹介いただきました。
実際に幼稚園に伺って、お話しをしたところ、活用している「園支援システム+バスキャッチ」を見せてくれたのです。どのようなことができるのかを実際に操作しながら教えてもらいました。これは今すぐに導入したいと思いVISH株式会社を紹介してもらい、連絡を取って2020年12月から利用を開始しました。
手書きでの管理を行っていたとのことですが、導入前はどのように各種管理・記録業務を行っていたのですか。
利用申請については、1ヵ月のカレンダーをExcelで作成してプリントアウトし、保護者に渡して利用したい日に○印を入れてもらいました。それをExcelで集計して、出力し、手書きで何時に来て、何時に帰ったのかを記入しました。クルマの送迎も、何時に誰を載せたのか手書きでメモを取りました。こちらに着いたら、何時から利用かの時間のメモを取り、体温などバイタルを連絡帳に書き入れました。各種加算に必要となる記録も手書きで残していました。こうして手書きで記録した内容は、改めてExcelなどに入力していました。ですから、二度手間三度手間を繰り返していたわけです。
連絡帳については、ノート型のものを使用していましたが、こちらに控えが残らないため、途中から複写のタイプに変更しました。控えが残るのはよかったのですが、高コストであることと、控えがどんどんと溜まると保存がたいへんでした。
記録しないといけない項目がたくさんあり、それらを改めてExcelなどに入力して、集計していたのですね。
そうですね。導入前に課題と感じていたことに時間の使い方がありました。放課後等デイサービスの利用は14時から17時頃までの実質3時間程度です。本来は療育にあてる時間なのですが、この間にやらなければならないことがたくさんあります。その主たるものは連絡帳の記入です。利用する子どもたちが到着してから、帰る17時間での間に記入するわけです。すると1人で10名分、2人で書いても1人5名分の連絡帳を書かなくてはなりません。するとスタッフの誰か1人は子どもたちを見るのではなく、連絡帳を書いているような状況になります。結果として行いたい療育に手が回らないという現状がありました。これは本来の放課後等デイサービスの姿ではないし、何とかしないといけないと考えていました。
ノートの連絡帳を帰るまでに書くとなると、そうなってしまいますね。「園支援システム+バスキャッチ」をお使いいただくようになって、そのあたりは改善されたのですか。
ずいぶんと改善されました。ただし「園支援システム+バスキャッチ」は幼稚園や保育園、こども園向けなので、記録する項目が違っていました。そこは自分たちで、例えば送迎の記録はどこにいれる、といったように使い方を工夫しました。ですから、使い始めはもともと表示される項目名とは違う内容を記録しましたので、それに慣れるまではたいへんでした。でも、すぐになれて日常業務はスムーズに回せるようになりました。
ただ、設定を間違えたこともありましたね。送ったつもりが送れていないとか。でも二原が保護者でもありましたので、二原のスマートフォンで確認をしてから、他の保護者に送ることで間違いを減らしました。この二原のスマホでのテストができたので何とかなりましたが、テストができないと難しいこともあったと思います。
連絡帳の活用は非常に大きなメリット
その後、VISH株式会社ではコノベルの開発を進め、試用をしてもらうようになりました。どのような機能を活用されていますか。
まずコノベルになって、自分たちが必要としている記録を、自分たちが普段使っている項目でできるようになりましたので、よりいっそう効率的になりました。
現在使用しているのはメッセージ配信、お便りのデジタル化、欠席・遅刻・早退連絡、利用申請、児童基本情報管理、通所受給者証情報管理、そしてオプションの連絡帳機能です。
連絡帳は「園支援システム+バスキャッチ」時代から使っていましたが、連絡帳のメリットは非常に大きいと思います。
コノベルの連絡帳を活用するメリットについて教えてください
1. 保護者の忙しい朝の時間に余裕ができる
実は連絡帳を書く負担は保護者にもあります。前日に書かれる方もいらっしゃいますが、だいたいは朝の忙しい時間をぬって記入していただいています。また、お子さんは一人だけとは限りません。幼稚園や保育園など、小学校、支援学校などにお子さんがいたら、お子さんの人数分の連絡帳を書かなければなりません。内容も通園・通学先によって違いますので、それぞれに合わせた記入が必要になります。
コノベルの連絡帳は、お子さんを送り出した後、保護者の忙しい朝の時間が終った後にスマホで記入してもらえます。限られた朝の時間を有効的に使ってもらえるようになりました。
2. その日の体調を把握して、お迎えや療育ができる。
午前中に保護者が記入した連絡帳の内容を把握して、どの子の体調が今一つ、といったことを把握した上で、お迎えに行くことができます。療育中も体調に配慮しながらできますので、お迎えに行ったら、来てみたら体調が悪そうだと知って慌てることも少なくなりました。
3. 写真を添えることで、療育の様子を正しく伝えられる
連絡帳には写真を添える機能がついていますので、療育でこんなことをしました、あるいはこんな制作をしていますといったことを、見てわかるかたちで伝えることができます。また、例えばぶつけて腫れてしまった場合やけがをしてしまったときには、写真で見てもらうことができます。逆に保護者から特に連絡がないのにケガをしていた場合も、写真で確認が取れます。
さまざまな記録を手書きで行い、改めてExcelなどに入力
コノベルの導入効果について教えてください。
1. 時間の余裕ができ、療育の時間を確保できるようになった。
導入前のスタッフのおおまかな1日をお伝えすると、朝、出勤すると前日の業務日誌をつけます。その際は連絡帳の控えなどを見てつけていました。複写にする前は、手元に控えがありませんでしたので、スタッフの記憶が頼りです。前日出勤のスタッフが翌日お休みの場合、そのスタッフにかかわる部分の業務日誌はつけることができません。逆に前日お休みのスタッフも前日のことはわからないので業務日誌をつけることができません。その後、出席カレンダーを見て、今日の出席者を名簿化して、お迎えに向います。お迎え中も誰が何時に乗ったかなどを記録します。子どもたちがジェナに到着後、療育を始めます。ただ、連絡帳を17時頃の帰りの時間までにつけなければなりませんので、1名か2名のスタッフは療育ではなく連絡帳書きに時間を取られていました。帰りもまたお送りして、何時に誰を送ったかなどの記録をします。
コノベル導入後は、朝、業務日誌をつけるのは変わりませんが、誰でも連絡帳などの内容を確認できますので、前日お休みのスタッフでもつけることができます。そして保護者からの連絡帳を確認して、その日に来る子どもたちの体調などを把握します。また、業務日誌をつける時間も短縮されましたので、その分を療育の準備や計画などに当てられます。お迎えはコノベルの出席簿で確認できますので、それを見ながら登校を確認して、時間も記録していきます。到着後はスタッフは療育に専念します。そして帰りの送りが終った後で、連絡帳の記入を行います。
2. 保護者の時間も確保できるようになった。
朝の忙しい時間に連絡帳を記入する必要がなくなり、子どもを送り出したあと、落ち着いてから連絡帳を記入できるようになりました。利用申請もアプリでできますし、欠席連絡もアプリで行えます。保護者自身がどのような内容をジェナに送ったのか、また、ジェナからの連絡やお知らせも、ふり返ってすべて見ることができます。コノベルにより、保護者自身の時間も確保しやすくなります。
3. 加算などの記録がある程度自動で記録される。
例えば利用申請は保護者が入力したものが、コノベルの出席簿に反映されますし、入退室管理などもコノベルでできますので、記録をする手間が少なくなりました。以前はこうした記録を手書きで行い、その後、Excelに入力をしていましたが、こうした二度手間三度手間で記録を行うことが減りました。記録し入力しないといけないものを一元管理できるようになりましたので、効率的になり時間的余裕もできました。
4. ペーパーレスにもつながる。
以前は利用申請やお知らせ、アンケートなどはすべて紙で出力して保護者に配布して、戻ってきた内容をExcelなどに転記をしていました。
導入後は利用申請やアンケートなどはすべてコノベル内でできますので、紙に出力して配布し、その返答を転記することもなくなりました。
また、お知らせもアプリでお伝えしますので、保護者は必要なお知らせを見返すこともできますし、保管・紛失の心配もなくなりました。
5. 保護者との連絡手段が統一できる。
保護者との連絡用に以前はスマートフォンを用意して、LINEでなどを使っていました。現在では保護者との連絡手段がコノベル一つになりましたので、スタッフの保護者との連絡の負担も軽減されました。事業所によっては個人のスマホで保護者と連絡を取っているケースもお聞きしています。休日などに連絡が入ったときにも対応しているとお聞きすることもあります。コノベルの導入により、そうした連絡の負担も軽減されています。
放課後等デイサービス事業所はぜひ導入して欲しい
放課後等デイサービスを行う事業所から、コノベルやシステムの導入を相談されたら、どのようにアドバイスされますか。
多分、多くの事業所の方たちは、自分たちがどれだけたいへんなことを行っているのかを認識されていないと思います。通所受給者証情報の管理や国保連請求システムの管理など、放課後等デイサービスの事務作業は膨大です。
コノベルを導入することで、記録しなくてはいけない項目が自動で記録してくれるようになります。アプリを通じて、子どもたちの基本情報と、日々の利用状況・欠席情報が連動して、必要な資料やデータを自動で作成してくれます。集計ミスの防止や事務作業の時間短縮に繋がり、事業所の業務負担削減の一助になります。なによりも子どもたちと向き合う時間が増えますので、ぜひ導入を検討して欲しいと思います。
コノベル並びにVISH株式会社へのリクエストや期待がありましたらお教えください。
いままでもいろいろなリクエストに応えていただき、ありがとうございます。加算関係の書類が数多くありますが、もっとそうした書類作りが楽になるようにブラッシュアップをお願いします。また、保護者からも連絡帳に写真を添えられるようになるといいですね。服薬の必要がある子どもの場合、お薬手帳のコピーをいただいていますが、写真で送ることができれば楽だと思います。またケガをしたときにその様子が写真でわかれば、事前に注意点などの確認もできます。(※2023年5月に無償バージョンアップ済み)
私たちも一緒にコノベルを開発してきましたが、これからも放課後デイサービスの業務の効率化、スタッフの負担軽減、利用者と保護者にとってのメリットにつながるシステムとサービスの開発に期待しています。
特定非営利活動法人まんぷく 放課後等デイサービス ジェナ様、本日はお忙しい中貴重なお話をありがとうございました。
放課後等デイサービス向けクラウドサービス「コノベル」では、放課後等デイサービスの日々の利用申請や、欠席連絡のシステム化をすることで、施設のスタッフ・職員の業務省力化の実現が可能です。また、保護者の方は専用のスマホアプリで24時間いつでも連絡することができますので、忙しい保護者の方を大幅にサポート!
また、「放デイの事務・業務負担を軽減したい!」「でもどんなシステムが良いかよくわからない・・・」こうしたお悩みをお抱えの事業者様、必見です!
コノベルでは個別の説明会も行っております。少しでも興味をお持ちいただけた方は、ぜひお気軽にご相談ください。
- 放課後等デイサービス ジェナのホームページ https://manpukullena.wixsite.com/llena
取材日時 2023年3月