放デイや児発では、連絡帳の作成・保管が必要となります。連絡帳は保護者の署名・捺印をもらうことでサービス提供記録として活用することが可能です。施設の運営に欠かせない連絡帳ですが、「支援中に書く時間がない」「内容が思い浮かばない」と職員が悩むポイントの一つでもあります。そこで今回は、放デイ・児発で連絡帳を書くときのポイントと、アプリを使った連絡帳の運用について紹介します。
目次
放デイ・児発にはなぜ連絡帳が必要?
放課後等デイサービス(放デイ)や児童発達支援事業(児発)では、連絡帳の記載と保管が必要となります。
なぜなら、療育施設ではサービス提供記録の保管が義務とされており、適切な記載をしている連絡帳であればサービス提供記録として認められるからです。
サービス提供記録とは、サービスを利用した日のお子様の様子、共有情報、お子様の変化といった内容を記録したものです。
サービス提供記録は、保護者に開示し署名もしくは捺印をもらったうえで、5年間保管する義務があります。
実地指導でサービス提供記録の保管義務を怠っていることが判明すると、報酬算定に影響する可能性があります。また、第三者に分かりにくい内容である場合、過度な誤字脱字や、不適切な表現が見られる場合も指導対象となるようです。
放デイ・児発の連絡帳に書く内容
放デイや児発の連絡帳には、下記のような内容を書いている施設が多いでしょう。
- 利用しているお子様の様子
- 友達や職員との関わり
- 施設で過ごす中での変化
- 施設での様子で気になった点
- 保護者からの相談に対するアドバイス
- 施設から保護者への共有事項
こうした内容を保護者と共有することで、放デイや児発でお子様がどのように過ごしているかがわかり、成長過程やお子様の状態について共通認識が持てます。
また、連絡帳を通じて施設の考え方や活動方針を知ってもらうこともできるため、保護者とのコミュニケーションが円滑になり、療育の質向上にも役立つと言えるでしょう。
限られた時間で書ききる!放デイ・児発における連絡帳の記入のポイント
放デイや児発での連絡帳は保護者とのコミュニケーションにおいて重要な役割を持っていますが、普段は活動中に連絡帳を書く時間がなかなか取れないという悩みを抱える職員は多いもの。
限られた時間で連絡帳に十分な記載をするために、書き方のポイントを紹介します。
障がいに関する知識を増やす
連絡帳を書くうえでの一番の悩みは「どんな風に書けば保護者の方に伝わるのかわからない」というものではないでしょうか。
解決策は障がいや療育に関する知識を増やすこと。
自分の中に知識や言葉がストックされることで、活動の中で見えたお子様の成長や、気を付けて関わったポイントなどが文章化しやすくなります。
また、保護者の相談への返答に悩む時間も少なくなりそうですね。
テンプレートを用意しておく
そもそも文章を書くのが得意ではない、苦手意識があるという方も多いかもしれません。
連絡帳で書く内容は一定決まっていることが多いため、テンプレートを用意しておくと文章作成のハードルが下がります。
ただ、テンプレートがあるからと言って全員に同じ内容を記入すればよいとは限りません。そのお子様のエピソードを入れたり、保護者からの質問があれば返答を追加したりと、状況に応じてアレンジしていきましょう。
まとまった時間を確保する
活動の合間を見ながら細切れで記入をしていると、「どこまで書いたかな」「何を書こうとしたんだっけ?」と手が止まってしまい、書くのに時間がかかってしまいます。
他のスタッフと協力して、連絡帳を記入するためのまとまった時間を確保するようにしましょう。
トラブルやその日の活動内容によっては、支援中に手が離せないことも多いかもしれません。
送迎の時間から逆算して、職員が連絡帳のために支援から抜けられそうな時間帯を見つけ、あらかじめ職員同士で話し合っておきましょう。
保護者からの相談に対するアドバイスを優先的に書く
連絡帳にお子様の様子に関する相談事を書いている保護者の方もいらっしゃいます。
相談内容に対してきちんと返答がないと、「保護者が書いた内容を読んでくれていないのかな」と不信感を与えかねません。
連絡帳に目を通した際に相談事を記入している方をピックアップしておき、職員同士で共有しておくとよいでしょう。
もし連絡帳担当が返答に悩んでしまう場合、送迎時などに保護者に直接声をかけたり、施設長やベテラン職員が返答をしたりといった対策も有効です。
書く時間がないために保護者へのアドバイスをおざなりにするのではなく、状況に応じたフォローを実施できると、さらなる保護者の満足度向上につながるはずです。
文章が正しいか最終確認をする
連絡帳を書き上げたら、最初から読み直して正しい文章になっているか最終チェックを行います。
誤字や脱字、文章表現がおかしい部分がないか、今一度確認しましょう。
連絡帳は日々保護者とやり取りをするツールであるからこそ、丁寧な対応を積み重ねることが信頼につながります。
放デイ・児発の連絡帳記入における注意点
支援中のトラブルや体調の変化は口頭でも報告する
放デイ・児発で過ごしている間に、ケガをしてしまったり、体調が悪くなったりするお子様もいます。また、友達とケンカなどのトラブルが起きることもあるでしょう。
文章だけの説明ではその場の状況や職員の対応がうまく伝わらなかったり、そもそも保護者が連絡帳を読む時間が取れず対応が遅れたりすることがあります。
トラブルやケガ、体調の変化といった重要事項は、送迎時や電話などで保護者にしっかりと口頭で伝えることが、お子様の安全や心身の健康を守るうえで重要です。
連絡帳をサービス提供記録として活用する場合はきちんと保管する
サービス提供記録として連絡帳を活用している施設の場合、事務所内に連絡帳の写しを保管する義務があります。
万が一連絡帳を紛失してしまった場合、サービス提供記録が適切に保管されてないとみなされるため、名簿などと照らし合わせて慎重に管理するようにしましょう。
近年の放デイ・児発における連絡帳事情
近年は、紙の連絡帳ではなくスマホやパソコン、タブレットで記入できる「アプリの連絡帳」を活用する放デイ・児発も増えてきています。
世の中全体でアプリ活用が進んでいること、保護者世代にデジタルネイティブ層が増加してきたことが連絡帳のデジタル化を後押ししているようです。
アプリの連絡帳を使うメリット
アプリの連絡帳には、このようなメリットが挙げられます。
送迎までに急いで記入しなくてもOK
アプリで施設の職員が入力した連絡帳は、時間指定で保護者に公開することが可能です。
お子様を送迎した後にゆとりをもって連絡帳を書くことができるので、「急いで書かなくては」「支援中に職員が抜ける時間を作らなくては」という緊張感から解放されます。
保護者が記入した内容を事前に確認できる
保護者が連絡帳を記入・送信した時点で内容を確認できるので、朝礼やミーティングなどの時間で事前に職員間で情報共有することができます。
お子様が来所して連絡帳を受け取った後に急いで連絡帳を確認する必要がないので、支援に余裕が生まれます。
連絡帳を購入・管理するコストがなくなる
通常、放デイや児発では、専用の複写式の連絡帳を利用しているケースがほとんどです。
まとめて数十冊購入すると万単位での出費となり、痛いコストだと感じる方が多いのではないでしょうか。
無料で利用できる連絡帳アプリを使えば、連絡帳の購入費用を削減することができます。
またアプリであれば、連絡帳の劣化や汚れなどに気を遣う必要がないのも嬉しいポイントです。記入の最中に書き間違えてしまっても簡単に修正することができます。
紙の連絡帳を使うメリット
一方、紙の連絡帳ならではのメリットもあります。
パソコンやタブレット機器に慣れていなくても記入ができる
アプリやシステムを使って連絡帳を記入するとなると、「使いこなせるかしら」「入力に時間がかかりそう」と不安を感じる職員もいることでしょう。
デジタル機器に慣れていない職員でも、抵抗なく使用できるのが紙の連絡帳。
ただ、近年ではデジタルに不慣れでも簡単に操作できるわかりやすいアプリも増えています。「慣れたらデジタルの方が早く対応できる」という職員も多いようです。
手書きならではの温かみがある
紙の連絡帳には、手書き文字にしかない温かみを感じられるというメリットがあります。
お子様の成長に不安を感じる保護者を支援したいからこそ、人間味を感じられる手書きの連絡帳を使いたいという方もいるでしょう。
確実に記入・受け渡しができたという安心感が得られる
アプリやシステムを使って連絡帳のやり取りをする場合、「記入したけど誤って削除していないか」「きちんと送信できているか」といった操作面を不安に感じるケースもあります。
紙の連絡帳であれば、必ず記入した、受け渡しをしたという安心感があるかもしれません。
一方、アプリであれば連絡帳の紛失や汚損といったリスクがなくなります。施設の状況に合わせて運用方法を考えていきましょう。
放デイ・児発で連絡帳アプリを使うなら「コノベル」
放課後等デイサービス・児童発達支援向けクラウドサービス「コノベル」を使えば、連絡帳をデジタル化することができます。
他にも、放課後等デイサービスの日々の利用申請や、欠席連絡のシステム化をすることで、施設のスタッフ・職員の業務省力化の実現が可能です。
また、「放デイの事務・業務負担を軽減したい!」「でもどんなシステムが良いかよくわからない…」こうしたお悩みをお抱えの事業者様、必見です!
コノベルでは個別の説明会も行っております。少しでも興味をお持ちいただけた方は、ぜひお気軽にご相談ください。