放課後デイサービス

放デイのモニタリングは電話でOK?減算・実地指導の不安を解消する進め方と記録のコツ

放デイのモニタリングは電話でOK?減算・実地指導の不安を解消する進め方と記録のコツ

放デイのモニタリング、電話で効率化したいけど減算や実地指導・監査が心配…と悩んでいませんか?この記事では、電話が認められる根拠から、具体的なヒアリング項目、テンプレートに使える記録の文例までを徹底解説します。支援の質を落とさず、安心して業務改善するためのポイントをまとめました。

目次

放デイのモニタリングは電話でも大丈夫?根拠と注意点

まず最も重要な点として、放課後等デイサービスのモニタリングは電話でも実施可能です。

厚生労働省の通知やQ&Aにおいても、新型コロナウイルス感染症への対応などを背景に、事業者や利用者の状況に応じてオンラインや電話などを活用した面談が認められる旨が示されています。

実地指導(監査)においても、担当者は「電話か、対面か」という形式だけを見るわけではありません。それよりも、下記のような支援のプロセスと質を重視しています。

  • 利用児童や保護者の状況を適切に把握できているか
  • モニタリングの結果が、個別支援計画の見直しにきちんと反映されているか
  • 一連の流れが客観的な記録として残されているか

したがって、オンラインや電話でモニタリングを行う際は、対面以上に丁寧に進めることと、わかりやすい記録を残しておくことが大切です。

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【要注意】電話モニタリングで減算・実地指導の対象となるNGケース

電話でのモニタリングが認められる根拠を紹介しましたが、「電話で話したから大丈夫」と思っていても必要な記録や対応がなされていないと危険です。

ここでは、減算や指摘につながりかねない、よくあるNGケースを3つご紹介します。

ケース①モニタリングの記録が一切ない、または不十分

最も多いのがこのケースです。電話でヒアリングをしても、その内容を記録として残していなければ、モニタリングを実施したという客観的な証拠がありません。

メモ書き程度の内容では、第三者が見たときに適切なモニタリングが行われたと判断できず、指摘の対象となりえます。

ケース②記録はあるが、個別支援計画の見直しに繋がっていない

モニタリングは、次の個別支援計画をこどもの現状に合わせて改善するために行うものです。

ヒアリングの記録はあっても、その結果が計画書に全く反映されておらず、「ただ話を聞いただけ」の状態では、モニタリングが形骸化していると判断される可能性があります。

ケース③定められた期間内(少なくとも6ヶ月に1回)に実施していない

児童福祉法に基づく基準では、個別支援計画の見直しは少なくとも6ヶ月に1回以上と定められています。

電話の手軽さから、かえって実施が後回しになり、気づけば期間を過ぎていた、ということがないよう計画的な実施が必要です。

質を落とさず効率化!電話モニタリングの進め方4ステップ

質を落とさず効率化!電話モニタリングの進め方4ステップ

では、支援の質を担保しつつ、効率的に電話モニタリングを行うにはどうすればよいのでしょうか。ここでは、実務に役立つ4つのステップをご紹介します。

Step1:事前準備

まずは、保護者の方へ事前にモニタリングの目的を伝え、5〜10分程度お時間をいただけるか確認し、アポイントを取ります。

その際、あらかじめ聞いておきたい要点をまとめた「ヒアリングシート」を用意しておきましょう。聞き漏れを防ぐとともに、スムーズな進行が可能になります。

Step2:ヒアリングの実践(ヒアリングの視点と質問例)

当日は、まず日頃の感謝を伝えるなどアイスブレイクを行い、和やかな雰囲気で始めましょう。

ヒアリングでは、以下のような視点で質問を進めると、計画の見直しに必要な情報を引き出しやすくなります。

目標達成度の確認

職員 職員

現在の個別支援計画にあります『〇〇』という目標についてですが、最近のご家庭でのご様子はいかがでしょうか?

事業所と家庭での様子の変化

職員 職員

最近、事業所では〇〇という活動に熱心に取り組んでいますが、ご家庭で何か当事業所での出来事について話されることはありますか?

職員 職員

ご家庭での生活の中で、何か変化や成長を感じられる点はございますか?

本人の意欲・興味

職員 職員

〇〇さん(お子様)が、特に楽しみにしている活動や、逆に苦手そうにしていることはありますか?

職員 職員

事業所では~~といった活動はいつも集中して取り組んでいますが、他にも好きなことはありますか?

保護者の困りごと・要望

職員 職員

日々の生活の中でお困りのことや、何か事業所の方からサポートできることはございませんか?

今後の意向

職員 職員

次回の計画を立てるにあたり、何かご家族としてのご希望や、お子様に挑戦してほしいことなどはございますか?

Step3:内容の確認

ヒアリングの最後には、保護者の方から聞いた内容を簡単にまとめて、認識の違いがないか改めて確認します。

職員 職員

お子様の様子としては、○○○○ということですね。今後の課題としては△△を目標に取り組んでいけたらと思いますが、こちらの方向性でよろしいでしょうか。

保護者の方と認識のズレがないか確認することで、事業所の方向性への理解を促すとともに合意形成を行うことができ、信頼関係の構築につながります。

Step4:モニタリング記録の作成

電話が終了したら、記憶が鮮明なうちに必ず記録を作成します。

時間が経つと、保護者の方の反応など細かなニュアンスを忘れてしまいがちです。次の見出しで解説するポイントを押さえ、速やかに記録を残しましょう。

【文例あり】電話モニタリングの記録の書き方

【文例あり】電話モニタリングの記録の書き方

モニタリング記録は、支援の質を証明する重要なエビデンスです。監査で通用する記録を作成するためのポイントと文例をご紹介します。

記録のポイント

必須項目を網羅する

日時、対応職員名、保護者氏名、面談方法(電話)、ヒアリング内容、モニタリング結果の評価、今後の対応方針を必ず記載します。

客観的事実と所見を分ける

保護者から聞いた客観的な事実(「〜とのことであった」)と、それに対する職員の専門的な見解・考察(「〜の状況から、〇〇と考えられる」)は、明確に分けて記述します。

計画への反映を明記する

ヒアリング結果を受け、計画を「継続」するのか「変更」するのか、その判断理由を具体的に記述します。

記録作成の参考例

良い記録の文例

日時:2025年8月21日 14:00〜14:15
対応職員:〇〇 〇〇(児発管)
保護者氏名:△△様(母)

方法:電話

ヒアリング内容:
【目標①:靴を揃えるについて】
家庭では帰宅時に8割方できているとのこと。「声かけがなくても自分で気づける日が増えた」とのお話あり。

【家庭での様子】
夏休みの宿題に集中して取り組める時間が増えてきた。一方で、就寝時間が不規則になりがちな点に悩みがあるとのこと。

【保護者からの要望】
就寝時間について、事業所でも帰りの会などで声かけをしてもらえるとありがたいとのご要望あり。

【評価・今後の対応】
目標①は達成度が高く、本人の意識も育っているため、目標は継続しつつ次のステップ(玄関の掃除など)も視野に入れる。

保護者の要望を受け、個別支援計画に「生活リズムの安定に向けた声かけ」の項目を追加することを検討。次回の計画案に反映させ、改めて提案する。

NGな記録の文例

「電話で母親に様子を聞いた。家でも靴を揃えられているようで、特に問題ないとのこと。計画は継続でいいと思う。」

上記では日時や具体的な内容がわからず、どういったヒアリングを行ったかが読み取れません。また、事実と所見が混在しており、支援のプロセスを客観的に記載することが求められます。

そのうえで、個別支援計画へどのように反映したのかも明確に記録する必要があります。

放デイのモニタリングにおける電話モニタリング Q&A

最後に、現場でよくあるお悩みの解決策をQ&A形式で紹介します。

Q. 保護者の方がなかなか電話に出てくれない場合はどうする?

A. 連絡帳や送迎の際に「モニタリングのお電話を差し上げたいのですが、ご都合の良い時間帯はございますか?」と事前に確認するのが有効です。

こういった細やかな確認については、連絡アプリを利用すると便利です。
「コノベル」は放デイ・児発向けに開発された、無料で始められる保護者連絡アプリです。

個別のチャット機能も備えており、連絡帳や利用申請の管理など他の業務とあわせて同じアプリ上で管理が可能なため、保護者・スタッフ双方の利便性向上につながります。

「コノベル」の詳しい機能についてはこちら!

「コノベル」チャット機能を利用したやり取りのイメージ

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Q. やはり対面の方が良いのでは?どう使い分けるべき?

A. もちろん、お子様の様子を直接伺えたり、細かな表情の変化を読み取れたりする対面のメリットは大きいです。

例えば、利用開始後の初回モニタリングや、環境の大きな変化があった際、課題が複雑な場合などは対面を優先し、定期的な状況確認は電話で行うなど、状況に応じた使い分けが理想的です。

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モニタリングのムダを省いて支援の質向上につなげよう

本記事では、放課後等デイサービスにおける電話モニタリングの進め方と記録のポイントを解説しました。

電話でのモニタリングは、決して手抜きではありません。
支援の質を担保するという目的を見失わず、要点を押さえて活用すれば、保護者との連携を密にしながら業務を効率化できる、非常に有効な手段となりえます。

しっかりとポイントをおさえてモニタリングを行い、支援の質のさらなる向上につなげていきましょう。

「コノベル」で個別支援計画の作成・管理を楽に!

コノベルは、児発・放デイのために開発された業務支援アプリです。
基本機能は無料で利用可能。タブレットでの利用もOK!

「コノベル」で個別支援計画の作成・管理を楽に!

コノベルで個別支援計画書を作成する際は、アセスメント→原案作成→担当者(支援)会議→モニタリングと作成フローに沿って直感的に作成を行うことが可能です。

支援内容の項目に記載する5領域にも対応しています。
さらに、自動で期限切れアラートを表示するため、更新漏れを防ぐ効果もあります。

個別支援計画書の保護者スマホアプリのイメージ

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保護者はスマホアプリから、簡単にサインを行うことができます。

コノベルでは個別の説明会も行っております。少しでも興味をお持ちいただけた方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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