【放デイ】実地指導(運営指導)完全ガイド!必要書類と確認ポイント
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放課後等デイサービスを運営する中で「実地指導(運営指導)が不安」と感じている方は少なくありません。実地指導は、事業所が適切に運営されているかを確認するための重要な機会です。一方で、準備が不十分な場合、思わぬ指摘や返還金などのリスクにつながることもあります。
この記事では、実地指導の基礎知識から当日の流れ、返還金を避けるために押さえておきたいポイントまでを分かりやすく解説します。正しい知識を身につけ、安心して実地指導に備えましょう。
目次
放デイの実地指導(運営指導)とは?
放課後等デイサービスの実地指導とは、都道府県や市町村の担当者が事業所へ訪問し、適正なサービス提供や運営が行われているかを確認・指導する手続きのことです。
2024年4月から行政用語は「運営指導」に変わりましたが、現場では今も「実地指導」と呼ばれることが多いです。この記事では両方の言葉を使いながら解説します。
実地指導の目的は事業所を処罰することではなく、サービスの質の確保・向上や、給付費の請求が正しく行われているかを確認することです。必要以上に不安にならず、日頃の運営を見直す良い機会と捉えましょう。
実地指導と監査の違い
実地指導とよく間違われるものに「監査」がありますが、行政の目的や深刻度が大きく異なります。
実地指導は業務改善の助言が目的ですが、監査は不正や著しい運営基準違反が疑われる場合に行われ、指定取り消しや事業停止などの行政処分を前提とした厳しい調査となります。
次の表に違いをまとめていますので、ご覧ください。
| 実地指導(運営指導) | 監査 | |
|---|---|---|
| 目的 | 運営状況の確認・助言 | 不正があったかどうかの確認 |
| 対象 | すべての事業所 | 不正や著しい運営基準違反が疑われる事業所 |
| 頻度 | 3年に1回程度が一般的 | 重大な違反が指摘された場合のみ |
| 事前通知 | 原則あり | なし |
| 指摘事項ありの場合 | 口頭や書面での注意や指導 | 事業停止や指定取り消しなどの処分 |
実地指導での指摘事項の内容によっては、1か月以内に改善報告書の提出を求められることがあります。自治体の指示に従いましょう。報告書の提出がない場合は、監査へと移行する可能性があります。
監査へ移行しないためにも、実地指導で誠実に対応することが重要です。
実地指導の実施頻度と時期の目安
実地指導が行われる頻度は自治体によって方針が異なりますが、一般的には6年間の指定有効期間内に最低1回以上とされています。多くの自治体では質を担保するため、3年に1回程度のペースで指導を行うケースが多いようです。
新しく開設した事業所の場合は、運営がきちんとできているかを早めに確認するため、開設から6か月〜1年以内に最初の指導が行われることがあるため、初年度から書類や記録をきちんと整えておくようにしましょう。
実地指導の実施計画は自治体のホームページなどに掲載されることもあるため、こまめに確認しておくと安心です。
実地指導の事前通知はいつ届く?
実地指導(運営指導)の場合、当日の1か月〜2週間前までに、事業所宛てに通知が届くことが一般的です。
【通知に記載されている項目の例】
- 実施する日時
- 担当者の名前
- 事前に提出が必要な書類(10日~1週間前を目安に提出が一般的)
- 当日までに準備する書類
通知が届いてから当日までの期間はあまり長くないため、通常の業務を行いながら多くの資料を準備するのは大きな負担になりがちです。
日頃から適正な運営を行い、いつ見られても大丈夫な状態を保つことが、一番の対策といえるでしょう。
放デイの実地指導当日の流れと確認ポイント
ここからは一般的な当日のタイムスケジュールと、実地指導でよく見られるポイントを紹介します。
実地指導当日のタイムスケジュール
当日は2~4名程度の担当者が来所し、半日~1日かけて実地指導を行うことが一般的です。
スケジュール例をまとめましたので、ご覧ください。
| 時間 | 内容 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 10:00 | 到着・あいさつ | 事業所管理者から施設の概要を説明 |
| 10:30 | 事業所内の確認 | 室内の安全や清潔さ、設備が整っているか |
| 11:00 | 資料の確認(人員・体制) | 勤務表や資格証などをもとに、職員配置を確認 |
| 12:00 | 休憩 | 担当者が外出する場合もあれば、事業所内で待機する場合も |
| 13:00 | 書類の確認(支援内容・記録) | 個別の支援計画・支援の記録・加算に関する資料の確認 |
| 15:00 | 講評・まとめ | 良かった点や改善点の説明 |
講評で指摘された内容はメモを取り、後日送付される結果通知と見比べられるように準備しておきましょう。
放デイの環境の確認・聞き取り
実際にこどもたちが過ごす環境も確認するために、事業所内を見ながら、職員に聞き取りをしていきます。
【見られやすいポイント】
- 事業所平面図と異なる部分がないか
- 感染防止や安全対策、避難経路などの確認
- 事業所内に掲示すべき書類が掲示されているか
事業所内に掲示する必要がある書類は、次のようなものがあります。
- 運営規定
- 重要事項説明書
- 緊急連絡先
- 非常災害対策計画
事業所内の分かりやすい場所に掲示したり、資料をまとめたファイルを設置したりして、利用者などが見られる状態にしておきましょう。
放デイ利用者・職員への聞き取り
必要に応じて利用者や家族への聞き取りが行われることがありますが、こども本人への詳細な聞き取りが難しいケースも多いため、実際の支援の様子を見られることが一般的です。特別な対応をするのではなく、いつも通りの支援を見てもらいましょう。
また、書類に書かれている内容と、実際の支援にずれがないかを確かめるために、保護者に対して電話でサービスの提供状況や利用料金について、確認が行われることもあります。普段から保護者とコミュニケーションをとり、信頼関係を築いておくことが大切です。
職員への聞き取りも行われることがあるため、事前に当日の流れを共有しておくと安心です。
準備必須!放デイの実地指導必要書類リスト
書類は原則としてサービスが終わった日から5年間保管する決まりがあります。過去の分も含めて、足りないものがないかを事前に確認しておきましょう。
ここでは、実地指導でよく求められる書類を紹介します。必要な書類の種類や名前は、自治体ごと異なるため、必ず自治体から届く通知や案内をあわせて確認してください。
運営基準に関する書類
事業所の運営ルールや、利用者との契約に関わる書類です。特に契約関係や、安全管理に関する記録は重点的にチェックされます。
- 運営規程:内容が最新の法改正に対応しているか
- 重要事項説明書・契約書:保護者の署名・捺印があり、最新版が交付されているか
- 受給者証の写し:受給者証の有効期限が切れていないか
- 苦情相談記録:苦情があったときの対応内容や改善策が記録されているか
- 事故・ヒヤリハット記録:事故発生時の対応や再発防止策が具体的か
- 避難訓練の記録:年2回以上の訓練実施記録と写真、参加者名簿など
- 業務日誌:その日の支援内容やこどもの様子が具体的に記載されているか
- 業務継続計画(BCP): 策定されているか、周知されているか
- 虐待防止・身体拘束関連: 委員会の開催記録、研修の実施記録
報酬請求に関する書類
給付費を適切に請求しているかを証明するための書類です。整合性が取れていない場合、意図的でなくても不正請求とみなされ、返還金を求められる可能性があるので気をつけましょう。
- サービス提供実績記録票:利用日・サービス提供時間・送迎の有無などが正確か、保護者の確認があるか
- 利用者負担額受領証(控え):利用者負担金を受領した記録が残っているか
- 請求書・明細書の控え:国保連に伝送した請求内容と、事業所の控えが一致しているか
- 代理受領通知書:保護者へ代理受領額を通知した記録
特に、サービス提供実績記録票は、利用実績の根拠になる書類です。時間の記載ミスや、欠席時の加算算定ミスがないよう、何度か確認しましょう。
職員・設備に関する書類
適切な人員配置が行われているか、職員の働き方が守られているかを確認します。配置基準を満たさない場合は人員欠如減算の対象となり、返還金が発生する可能性があります。
- 勤務表:指定基準上の必要人数を満たしているか
- 出勤簿・タイムカード:実際の勤務時間とシフト表にずれがないか、休憩時間が適切に取得できているか
- 資格証の写し:職員全員分の児童指導員・保育士などの資格証があるか
- 雇用契約書・辞令:職員の雇用形態が明記されているか
- 研修計画・実施記録:職員の資質向上のための研修を行っているか
特に常勤換算の計算は複雑なので、兼務職員がいる場合や、有給休暇取得時の扱いなど、制度を事前に確認しておきましょう。
自主点検表の活用
多くの自治体では、実地指導の事前提出資料として自主点検表を公開しています。
自主点検表には人員配置や加算の要件などのチェック項目が記載されています。実地指導の通知が来てから慌てて確認するのではなく、年に1回程度、定期的に使用して書類の見直しと整備を行うことがおすすめです。
こども家庭庁が示している自主点検表も用意されています。日頃の運営確認に、ぜひ活用してみてください。
https://www.cfa.go.jp/policies/shougaijishien/shisaku/hoshukaitei/shidokansa
放デイの実地指導でよくある指摘と返還金リスク
運営基準違反があると、うっかりミスでも返還対象となります。
この章では、放課後等デイサービスで指摘されやすい内容と、返還金につながりやすい注意点を解説します。
個別支援計画の未作成
個別支援計画は支援の土台になる書類ですが、問題があると「個別支援計画未作成減算」として、報酬が減額や返還の対象になります。
よくあるのは、計画書はあっても作る手順が守られていないケースです。改めて流れを確認してみましょう。
【個別支援計画作成の流れ】
- アセスメント(課題分析)
- 原案作成
- 担当者会議の開催
- 保護者への説明と同意(署名・捺印)
- 利用者への交付
- モニタリング(定期的な見直し)
特に多いのは、担当者会議の記録が残っていないことや、計画開始後に保護者の署名をもらっているケースです。支援を始める前に、必要な手続きをすべて終えられるよう、余裕をもって進めましょう。
人員配置基準の違反
放課後等デイサービスには児童発達支援管理責任者や児童指導員、保育士などを配置する人員配置基準がありますが、条件を満たしていない場合は人員欠如減算の対象となります。
注意が必要なのは、書類上の配置は足りていても、実際に現場にいなかったケースです。例えば、勤務表には名前があっても実際には休暇を取っていた、他の事業所と兼務していて不在だったケースで該当することがあります。
また、急な退職で児童発達支援管理責任者が不在になったにもかかわらず、満額請求を続けていた場合などは、悪質な不正請求とみなされて重い処分につながる可能性があります。人の入れ替わりが合ったときには、すぐに確認と手続きを行いましょう。
参照
児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準(第66条・第67条) | e-Gov 法令検索(厚生労働省)
障害児通所支援事業所に対する行政処分(指定の取消)について (北九州市保健福祉局)
指定障害児通所支援事業者に対する行政処分について(令和7年3月27日発表) (柏市)
加算算定の要件不備
基本報酬に上乗せされる加算は事業所の収入にとって大切なものですが、チェックも厳しくなります。
【よくある例】
- 延長支援加算:延長支援を行った具体的な記録(延長時間の開始・終了時刻)が残っていない
- 送迎加算:車両の運行記録とサービス提供記録の送迎実績が一致しない
- 家庭連携加算:相談援助の記録が薄く、加算要件を満たす支援と認められない
「加算を取れる条件を勘違いしていた」というケースもあるため、条件の確認と記録が残っているかを定期的に見直すことが大切です。
サービス提供記録の不整合
実地指導では複数の書類を見比べて確認されるため、内容が食い違っていると「記録が信用できない」と判断されることがあります。
【よくある例】
- サービス提供実績記録票では17:00までの利用なのに、送迎記録では16:30に送迎車が出発している
- 出勤簿では10:00出勤なのに、業務日誌や会議録には9:00からの朝礼に参加した記録がある
手書きや表計算ソフトなどで管理すると、時間のズレや転記ミスが起こりやすくなります。不正を疑われないためにも、すべての記録が同じ内容になっているかを日頃から確認しておきましょう。
放デイの事務負担を減らすためのICT活用
実地指導に向けた準備は時間と手間がかかります。そこで役立つのが、療育施設向けICTシステムです。
手書き・表計算ソフト管理の難しさ
開設当初は紙や表計算ソフトで管理を始めても、利用者が増えると転記ミスや書類間のずれが起こりやすいです。
また、法改正で報酬単価や様式が変わるたびに、表計算ソフトの計算式を修正するのも大きな負担がかかり、気づかないまま間違った計算をしてしまうことがあります。
ミスを完全に防ぐ方法はないため、ミスを起こりにくくする仕組みを作ることが大切です。
システム化でミスを防ぐ
業務支援システムの強みは、情報をまとめて管理できることと、間違いに気づきやすくなることです。システムを利用すると、登所・降所の時間を入力すれば、サービス提供実績記録票や請求データへ自動的に反映されるため、書類上のずれが起きにくくなります。
また、人員配置基準を満たしていない日や、加算の条件を満たしていない場合に通知を出してくれるシステムもあります。
コノベルで監査も安心
VISH株式会社が提供する「コノベル」は、児童発達支援・放課後等デイサービス向けの業務効率化と保護者連絡を支援するシステムです。療育施設特有の制度や業務に合わせて設計されているため、高い専門性が強みです。
【コノベルでできること】
保護者とのコミュニケーション
アプリを通して欠席などの連絡、連絡帳、メッセージ配信が可能です。転記ミスなどを防ぎ、電話対応・手紙の印刷などのコストを削減します。
利用管理
保護者による利用申請をカレンダーで管理でき、実績記録票や入退室時間も自動で反映されます。児童や保護者情報、受給者証、職員アカウントまで一元管理でき、事務負担を軽減します。
コノベルの利用者管理の詳細はこちら
記録・報告
個別支援計画書の進捗や承認状況を見える化でき、日々の活動は写真付きで記録可能です。通所記録では、重心児対応などの支援内容を時系列で残せます。
コノベルの記録・活動報告の詳細はこちら
手頃で始めやすい無料プランもあるので、ぜひ詳細をご覧ください。
まとめ:しっかり準備して実地指導に備えよう
実地指導は、より良い運営のための助言をもらう機会ですが、不備があれば返還金などの大きなリスクを負うことになります。
直前に慌てて書類を用意しなくて済むよう、日頃から書類を整えておきましょう。